明日が楽しみになる日記

おっちょこちょい、人見知り、小心者のこっこが好奇心だけで世界を旅します。

何かを得るということ

先日のブログで私は好きな人に勇気を出して連絡先の交換をお願いしたことをお話ししました。

www.ashitagatanoshimi.com

 マーシャンバン!と書かれたメモが功を奏し、律儀な彼からはその夜帰宅してしばらくするとLINEのメッセージが入りました。これからはいつだって連絡を取ることができる。それに、お仕事のときとは違って少しくだけた感じの文面が私を喜ばせました。私はその日、世界一幸せな女の子でした。

だけど、私はこのとき浮かれていて得るものの一方で失うものがあることに気づいていなかったのです。

私と私の好きな人は職場が同じで、隣り合わせの席に座っています。話しかけようと思えばいつだって話しかけることができます。ただ、私の職場は私語をするような雰囲気はありません。この職場に移ってきたばかりのころ、前の職場では毎日冗談を言っては大声でガハガハ笑っていた私はその雰囲気に慣れるのに時間がかかりました。

LINEを交換する前、私と彼とのやりとりは2通り存在していました。ひとつは、直接話すことです(当たり前すぎましたね。。。)。ある日、掃除当番の私が給湯室で掃除をしているところにマイマグカップを持った彼が現れました。そして、「お疲れ様です」と挨拶を交わした後、「こんなところでいきなりなんですが」と切り出して彼は職場の何人かで飲みに行こうと誘ってくれました。私が「いいですよ」というと彼があまりにも嬉しそうにするので、私も嬉しくなりました。マグカップを持って現れたのに、一向に飲み物を補充しない彼の様子に彼なりに私に話しかけるタイミングを探してくれていたのかなと思いました。

もうひとつのやりとりの方法は、お手紙です。令和のこの時代に文(ふみ)のやりとりであります。ある日、彼が会議に席を立つタイミングで紙切れを渡してきました。そこには誘ってくれた飲み会の都合を尋ねるメモ書きが書いてありました。会議から戻ってきた彼は私に先ほどのメモの意味が分かったかと尋ねてきました。どこをどう読んでも誤解のしようもないほど用件がはっきりしたメモだったのに、それを尋ねてくるところに彼らしさを感じました。私はお返事を書き、今度は自分がタイムカードを押すタイミングで彼に渡しました。私が渡した紙切れが何であるかを分かった様子の彼はさっと手元の書類の下にメモを隠しました。私たちはどこかからかタイムスリップしてきた中学生でした。f:id:ashitagatanoshimi:20190826211203j:image

LINEを交換するということはすなわち、とんでもなくまどろっこしくてアナログで、けれどもとびきり私を喜ばせたこうしたやりとりを失うことを意味していました。そのことに気づいてしまった今、本当にタイムスリップしたい衝動にかられています。